市況【2019年6月3日掲載】

Ⅰ. 市況報告

史上初めての10連休となったゴールデンウィークが明けた5月の国内鉄スクラップ相場は、前月の下落基調を引き継ぐ格好で月前半に500~1,000円続落したが、月末にかけては様子見横ばい推移した。5月末時点のH2炉前価格は関東が前月比¥500安の@¥28,500~29,500、関西が同¥500~1,000安の@¥30,000~30,500を形成している。
世界的には米中貿易摩擦の激化や中国の景気減速に対する懸念、トルコ・リラの下落などが鉄スクラップ相場に影を落とした。日本の輸出相場も軟調な展開となり、韓国向け輸出FOB価格は@¥30,000円と前月比¥1,000下がった。
一方で、米国政府がトルコからの鋼材輸入に対する関税の50%から25%への引き下げを発表すると、トルコ向け欧米スクラップ成約価格が約$20反発したほか、鉄鉱石スポット価格は5年ぶりに$100を突破しており、国内相場は値戻しへの期待感を緩やかに高めながら越月している。

Ⅱ. 鉄鋼諸指標

(1)生産・在庫(2019年4月)

  生産・在庫量 前月比
粗鋼生産 8,647 437
(うち電炉) 2,157 145
メーカースクラップ在庫 3,214 36
小棒生産 720 45
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2019年3月の数値)■資料:日本鉄源協会

(2)価格 (2019年5月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)

  価格 前月比
異形棒鋼 71,300 ±0
H形鋼 88,000 ±0
スクラップ 28,700 2,300
(単位:円)■資料:日本鉄源協会

(3)輸出

  数量
(2019年4月)
前月比 単価
(2019年5月)
前月比
スクラップ 617 38 31,200 600
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字

(4)世界粗鋼生産

  生産量 前月比
2019年4月 156,671 1,662
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA)

(5)U.S.A.コンポジット価格

  価格(U.S.ドル) 操業率(%)
2019年4月 2週目 295.00 82.7
1週目 295.00 81.8
3週目 295.00 81.4
2019年5月 4週目 295.00 82.3
1週目 263.33 82.8
1週目 263.33 81.6
1週目 263.33 (未入電)
■資料:日本鉄源協会

Ⅲ.鉄スクラップ市況

2019年5月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値

  月初 月末 入荷状況 見込み
北海道 27.5~29.5 27.0~29.0 100% 様子見
東北 26.5~28.5 26.0~28.0 100% 様子見
新潟 28.0~29.0 28.0~29.0 100% 様子見
関東 28.5~29.5 28.5~29.5 100% 様子見
中部 30.0~31.0 29.0~30.0 100% 弱含み様子見
関西 30.5~31.5 30.0~31.0 100%強 弱含み様子見
姫路 30.5~31.0 29.5~30.5 100%強 弱含み様子見
中・四国 30.0中心 29.5中心 100%弱 様子見
九 州 30.0中心 30.5中心 100% 様子見
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社