Ⅰ. 市況報告
史上初めての10連休となったゴールデンウィークが明けた5月の国内鉄スクラップ相場は、前月の下落基調を引き継ぐ格好で月前半に500~1,000円続落したが、月末にかけては様子見横ばい推移した。5月末時点のH2炉前価格は関東が前月比¥500安の@¥28,500~29,500、関西が同¥500~1,000安の@¥30,000~30,500を形成している。
世界的には米中貿易摩擦の激化や中国の景気減速に対する懸念、トルコ・リラの下落などが鉄スクラップ相場に影を落とした。日本の輸出相場も軟調な展開となり、韓国向け輸出FOB価格は@¥30,000円と前月比¥1,000下がった。
一方で、米国政府がトルコからの鋼材輸入に対する関税の50%から25%への引き下げを発表すると、トルコ向け欧米スクラップ成約価格が約$20反発したほか、鉄鉱石スポット価格は5年ぶりに$100を突破しており、国内相場は値戻しへの期待感を緩やかに高めながら越月している。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2019年4月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
8,647 |
-437 |
(うち電炉) |
2,157 |
-145 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,214 |
+36 |
小棒生産 |
720 |
-45 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2019年3月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2019年5月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
71,300 |
±0 |
H形鋼 |
88,000 |
±0 |
スクラップ |
28,700 |
-2,300 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
|
数量 (2019年4月) |
前月比 |
単価 (2019年5月) |
前月比 |
スクラップ |
617 |
+38 |
31,200 |
-600 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2019年4月 |
156,671 |
+1,662 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2019年4月 |
2週目 |
295.00 |
82.7 |
1週目 |
295.00 |
81.8 |
3週目 |
295.00 |
81.4 |
2019年5月 |
4週目 |
295.00 |
82.3 |
1週目 |
263.33 |
82.8 |
1週目 |
263.33 |
81.6 |
1週目 |
263.33 |
(未入電) |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2019年5月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 27.5~29.5 |
27.0~29.0 |
100% |
様子見 |
東北
| 26.5~28.5 |
26.0~28.0 |
100% |
様子見 |
新潟
| 28.0~29.0 |
28.0~29.0 |
100% |
様子見 |
関東
| 28.5~29.5 |
28.5~29.5 |
100% |
様子見 |
中部
| 30.0~31.0 |
29.0~30.0 |
100% |
弱含み様子見 |
関西
| 30.5~31.5 |
30.0~31.0 |
100%強 |
弱含み様子見 |
姫路
| 30.5~31.0 |
29.5~30.5 |
100%強 |
弱含み様子見 |
中・四国
| 30.0中心 |
29.5中心 |
100%弱 |
様子見 |
九 州
| 30.0中心 |
30.5中心 |
100% |
様子見 |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |