Ⅰ. 市況報告
3月の国内鉄スクラップ相場は続伸した。2月の勢いを引き継ぐ形で上旬から中旬にかけて強基調を保ち、国内市況は各地で¥1,000~2,000一段と上昇した。月末時点のH2炉前価格は関東が@¥32,500~33,500、関西が@¥33,500~34,500を形成し、ともに昨年11月以来4ヵ月ぶりの高値を回復している。年度末環境やゴールデンウィークへ向けた先作りを背景に国内電炉メーカーの生産は高水準を保ち、堅調な内需が市況を押し上げた。
2月に一時的に軟化した海外相場も再び上昇へ転じている。米国ではコンポジット価格が前月比$20高の$318.33と4ヵ月ぶりに反発し、米国産No.1HMSの韓国向け成約価格は$350(CFR)へ切り上がった。
それらと並行して輸出相場も月前半は強含みで推移した。だが日本産スクラップ価格の割高感が障害となり新規商談が難航すると、国内相場にも徐々に頭打ち感が台頭し、月末には関東で小幅に反落した。国内鉄スクラップ相場では10連休の大型連休へ向けて強気な見方が根強い半面、高値警戒感も交錯しており、先行き不安定感を漂わせながら新年度を迎えている。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2019年2月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
7,743 |
-398 |
(うち電炉) |
2,071 |
+59 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,181 |
-18 |
小棒生産 |
687 |
+13 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2019年1月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2019年3月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
|
価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
71,300 |
±0 |
H形鋼 |
88,000 |
±0 |
スクラップ |
31,500 |
+2,800 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
|
数量 (2019年2月) |
前月比 |
単価 (2019年3月) |
前月比 |
スクラップ |
669 |
+148 |
34,000 |
+1,900 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2019年2月 |
137,274 |
-9,431 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2019年2月 |
2週目 |
298.33 |
81.5 |
3週目 |
298.33 |
81.0 |
4週目 |
298.33 |
81.9 |
2019年3月 |
1週目 |
298.33 |
82.8 |
2週目 |
318.33 |
83.4 |
3週目 |
318.33 |
82.9 |
4週目 |
318.33 |
(未入電) |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2019年3月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
|
月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 30.0~31.0 |
31.0~32.5 |
100% |
様子見 |
東北
| 30.0~31.5 |
30.0~32.0 |
100% |
様子見 |
新潟
| 31.0~32.0 |
31.5~32.5 |
100% |
値下がり |
関東
| 31.5~32.5 |
32.5~33.5 |
100% |
高値修正 |
中部
| 31.5~32.5 |
34.0~35.0 |
100%弱 |
様子見 |
関西
| 32.0~33.0 |
33.5~34.5 |
100% |
様子見 |
姫路
| 31.5~32.0 |
34.0~34.5 |
100% |
様子見 |
中・四国
| 31.0中心 |
33.5中心 |
100%弱 |
様子見 |
九 州
| 33.5中心 |
35.0中心 |
100%強 |
様子見 |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |