Ⅰ. 市況報告
9月の鉄スクラップ相場は世界的に下落基調を辿り、国内では値下げが加速した。建材需要の回復遅れを背景に電炉メーカーの生産意欲は低調で、月末のH2炉前価格は関東が前月比¥2,500~3,000安の@¥23,000~24,000、関西が同¥1,500~2,000安の@¥22,500~23,500と、それぞれ2年4ヵ月ぶり、2年10ヵ月ぶりの安値に続落している。
米中貿易摩擦による景気後退懸念から鋼材や半製品の下落が進行するのと並行し、鉄スクラップ市況は海外でも下げ足を速めた。米国コンポジット価格は前月比$30反落し、同国からのトルコ向けHMS成約価格は$230(CFR)を割り込んだ。そのため日本からの新規輸出相場も厳しい環境に置かれ、先安感から海外需要家の購買意欲が冷え込む中、韓国向けH2輸出価格は¥24,000(FOB)へと続落した。
国内鉄スクラップ相場を取り巻く外部環境には弱気要因が数多い上、内需は依然として盛り上がりを欠いていることから国内相場の先行きを不安視する向きは根強く、弱含みのまま10月を迎えている。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2019年8月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
8,116 |
-271 |
(うち電炉) |
1,763 |
-79 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,383 |
+161 |
小棒生産 |
633 |
-22 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2019年7月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2019年9月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
68,300 |
-800 |
H形鋼 |
85,000 |
-1,500 |
スクラップ |
22,800 |
-1,600 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
|
数量 (2019年8月) |
前月比 |
単価 (2019年9月) |
前月比 |
スクラップ |
692 |
+8 |
23,900 |
-4,500 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2019年8月 |
156,038 |
-659 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
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価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2019年8月 |
2週目 |
248.33 |
80.2 |
3週目 |
248.33 |
79.8 |
4週目 |
248.33 |
80.6 |
2019年9月 |
1週目 |
248.33 |
79.5 |
2週目 |
218.33 |
78.8 |
3週目 |
218.33 |
77.8 |
4週目 |
218.33 |
未入電 |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2019年9月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 21.0~23.0 |
19.0~21.0 |
100%強 |
弱含み |
東北
| 22.0~24.0 |
20.0~22.0 |
100%強 |
弱含み |
新潟
| 24.5~25.5 |
22.0~23.0 |
100%強 |
弱含み |
関東
| 26.0~27.0 |
23.0~24.0 |
100% |
様子見 |
中部
| 24.0~25.0 |
22.5~23.5 |
100% |
弱含み様子見 |
関西
| 24.5~25.5 |
23.0~23.5 |
100% |
弱含み様子見 |
姫路
| 24.0~25.0 |
22.0~23.0 |
100% |
弱含み様子見 |
中・四国
| 23.5中心 |
21.5中心 |
100% |
様子見 |
九 州
| 24.5中心 |
23.5中心 |
100% |
様子見 |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |