Ⅰ. 市況報告
4月下旬をピークに値下げに転じた国内鉄スクラップ市況は7月にかけて下げ基調が続いた。8月中旬に急反発を見せ、9月上旬は需給タイト感が残ったが中旬以降は強弱が混在する展開になった。様々な要因で上下を繰り返してきた市況は、10月に入ると記録的な円安と流通量の減少が国内相場を下支えしつつ、比較的穏やかな展開を見せた。10月末のH2炉前価格は、関東が¥49,500~50,500、関西が¥49,000~52,000になった。前月末比ほぼ同値か¥500程安い。
輸出量は昨年比減少しているが、需要家である韓国、ベトナムの今後の動きに左右される。両国の事情は中国の状況が大きく影響しているが、現在中国では鉄スクラップ、鉄鋼製品ともに強気材料は少ない。中国では不動産不況が長引き、鋼材需要も低迷、鉄スクラップ業者の高値在庫の売り急ぎも出ているとも伝えられている。
一方、カーボンニュートラルで注目される日本の高炉の購入量及び中国の輸入量は大方の予想に反し今年も伸びておらず、将来どのタイミングで増えるのかが注目されている。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2022年9月)
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生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
7,140 |
-219 |
(うち電炉) |
2,000 |
+217 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,127 |
-150 |
小棒生産 |
623 |
+72 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2022年8月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2022年10月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
112,700 |
-400 |
H形鋼 |
123,700 |
±0 |
スクラップ |
46,900 |
-200 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
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数量 (2022年9月) |
前月比 |
単価 (2022年10月) |
前月比 |
スクラップ |
624 |
+128 |
48,500 |
-750 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
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生産量 |
前月比 |
2022年9月 |
151,700 |
+1,100 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2022年9月 |
2週目 |
328.33 |
76.9 |
3週目 |
313.33 |
76.4 |
4週目 |
313.33 |
77.1 |
2022年10月 |
1週目 |
313.33 |
75.3 |
2週目 |
313.33 |
75.7 |
3週目 |
310.00 |
74.8 |
4週目 |
310.00 |
未入電 |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2022年10月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 45.5~46.5 |
45.0~46.0 |
100% |
様子見 |
東北
| 47.5~49.5 |
47.0~49.0 |
100%弱 |
様子見 |
新潟
| 49.5~50.5 |
49.0~50.0 |
100%弱 |
様子見 |
関東
| 50.0~51.5 |
49.5~50.5 |
100%弱~100% |
様子見 |
中部
| 47.5~48.5 |
48.0~48.5 |
98%~100% |
様子見 |
関西
| 50.0~51.5 |
50.5~52.0 |
100%弱 |
堅調様子見 |
姫路
| 49.0~49.5 |
49.0~49.5 |
100% |
様子見 |
中・四国
| 50.0中心 |
50.0中心 |
100% |
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九 州
| 50.5中心 |
50.0中心 |
100%~100%強 |
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(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |