市況【2023年8月1日掲載】

Ⅰ. 市況報告

7月の国内鉄スクラップ市況は、荷動き低調で堅調感の続いた6月後半の流れを引き継いで始まった。その後、地区によって気配にバラつきが見られ、関東地区では品薄感からタイトな状況が続いたものの、関西地区では需給が均衡し上伸材料も乏しく膠着状態が続いた。7月11日の関東地区の輸出テンダーでは電炉納入価格より高値で落札され、大手電炉が日本の全拠点で500円~1,500円の値上げを発表した。しかし大阪メーカーはそれに追随することなく購入価格を据え置いたため、相場は東高西低の状態となっている。
6月は日本からの輸出量が昨年10月以来の60万トン超えと高水準で国内需給を下支えしたが、7月から国内電炉が夏季炉休・荷止期に入ったことから、需給は全国的に縮小均衡の方向に動いている。海外価格が割安なことも、国内価格の下げ圧力を強めている。7月末のH2炉前価格は、関東が¥50,000~51,000、関西(大阪・姫路)が¥48,500~50,000で、前月末比較では関東では¥1,500ほど高くなり、関西ではほぼ横這いか一部¥500円ほど高くなった。

Ⅱ. 鉄鋼諸指標

(1)生産・在庫(2023年6月)

  生産・在庫量 前月比
粗鋼生産 7,325 323
(うち電炉) 2,004 40
メーカースクラップ在庫 3,246 182
小棒生産 620 24
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2023年5月の数値)■資料:日本鉄源協会

(2)輸出

  数量
(2023年6月)
前月比 単価
(2023年7月)
前月比
スクラップ 638 109 48,300 100
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字

(3)世界粗鋼生産

  生産量 前月比
2023年6月 158,800 2,800
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA)

(4)U.S.A.コンポジット価格

  価格(U.S.ドル) 操業率(%)
2023年6月 2週目 324.67 77.5
3週目 303.33 78.1
4週目 303.33 77.3
2023年7月 1週目 303.33 75.2
2週目 303.33 75.5
3週目 303.33 76.6
4週目 303.33 未入電
■資料:日本鉄源協会
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。

Ⅲ.鉄スクラップ市況

2023年7月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値

  月初 月末 入荷状況 見込み
北海道 44.5~45.5 45.5~46.5 100% 様子見
東北 47.0~48.0 48.5~49.5 100% 様子見
新潟 47.0~48.0 48.5~49.5 100% 様子見
関東 48.5~49.5 50.0~51.0 100% 様子見
中部 48.0~48.5 48.0~49.0 98%~100%強 様子見
関西 49.5~50.0 49.0~50.0 100% 様子見
姫路 47.5~49.0 48.5~49.0 100% 様子見
中・四国 48.5中心 49.5中心 100%
九 州 48.5中心 49.5中心 100%
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社