Ⅰ. 市況報告
11月の鉄スクラップ国内市況は、各地区において需給双方の様子見状態が続き、月初から月末までほぼ横這いで推移した。10月には9日の関東鉄源のテンダー高値落札を受け、テンダー後に国内相場が反発したが、軟調な鋼材相場や中国経済に対する懸念等から相場の上伸基調は続かず、国内鉄スクラップ相場は様子見横ばいが続いている。鉄スクラップの発生は薄いものの、鋼材需要の不振で電炉が減産基調にあり、需給とも低調な水準で均衡が保たれた状況だ。なお、11月下旬は海外鉄スクラップ相場が下落したが、日本国内は10月上旬を最後に値上げ対応を見送っていたこともあり、下落の動きは出ていない。
11月末のH2炉前価格としては、関東が40,500~41,500円、関西(大阪・姫路)が41,000~43,000円となり、前月末比較ではいずれもほぼ横這いである。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2024年10月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
6,925 |
+302 |
(うち電炉) |
1,824 |
-5 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,372 |
+28 |
小棒生産 |
564 |
-4 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2024年9月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)輸出
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数量 (2024年10月) |
前月比 |
単価 (2024年11月) |
前月比 |
スクラップ |
557 |
+141 |
43,400 |
+100 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(3)世界粗鋼生産
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生産量 |
前月比 |
2024年10月 |
152,100 |
+8,500 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(4)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2024年10月 |
2週目 |
316.00 |
73.4 |
3週目 |
320.00 |
74.7 |
4週目 |
320.00 |
73.3 |
2024年11月 |
1週目 |
320.00 |
74.2 |
2週目 |
319.33 |
73.1 |
3週目 |
316.67 |
74.5 |
4週目 |
316.67 |
未入手 |
■資料:日本鉄源協会 |
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2024年11月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 37.5~38.5 |
37.5~38.5 |
100% |
様子見 |
東北
| 40.0~41.0 |
40.0~41.0 |
100% |
軟調様子見 |
新潟
| 40.0~41.0 |
40.0~41.0 |
100% |
様子見 |
関東
| 40.5~41.5 |
40.5~41.5 |
100% |
様子見 |
中部
| 40.0~41.5 |
40.0~41.5 |
100%~100%強 |
様子見 |
関西
| 39.5~41.5 |
41.0~42.0 |
100% |
堅調様子見 |
姫路
| 41.5~43.0 |
41.5~43.0 |
100% |
様子見 |
中・四国
| 41.5中心 |
41.5中心 |
100% |
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九 州
| 41.4中心 |
41.5中心 |
100% |
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(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |