Ⅰ. 市況報告
2026年3月の鉄スクラップ国内市況は、2月下旬からの需給タイト感が継続し、全体として堅調な推移となった。発生量は年度末に向けて緩やかに回復したものの、需要量を満たすものではなく、相場水準は高値圏を維持している。東京製鐵は3月に特級ベースで4,500~5,000円の値上げを実施した。31日付の改定では一部品種間の価格差を改定して調達の促進を図った。2月の電炉鋼生産は169.5万トンとなり、前月比2.0%増ではあるものの、前年同月比では2.5%減と2カ月ぶりの減少となった。2月の鉄スクラップ輸出量は62.8万トンと、前年同月比5.6%減で3カ月連続の前年割れとなった。向け先別にみると、ベトナム向けは2ヵ月ぶりの前年比減となる24.6万トン(前年同月比18.1%減)、バングラデシュ向けは2ヵ月ぶりの前年増となる15.7万トン(同53.4%増)、韓国向けは3ヵ月連続の前年減となる10.6万トン(同9.3%減)であった。主力であるベトナム向けやバングラデシュ向けの引き合いが依然として強く、円安ドル高の進行も相まって輸出単価を強力に下支えしている。また、米国コンポジット価格が高水準を維持するなど、鉄スクラップ価格は世界的に強含みで推移している。
3月末のH2炉前価格は、関東、関西で高値5万円台に乗せたほか、全地域で前月比4,000円~5,000円の大幅な上昇を記録し、年初来の高値をさらに更新する形となった。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2026年2月)
| |
生産・在庫量 |
前月比 |
| 粗鋼生産 |
6,397 |
-354 |
| (うち電炉) |
1,695 |
+34 |
| メーカースクラップ在庫※
|
3,115 |
-7 |
| 小棒生産 |
443 |
-15 |
| (単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2026年1月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)輸出
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数量 (2026年2月) |
前月比 |
単価 (2026年3月) |
前月比 |
| スクラップ |
628 |
+169 |
50,500 |
+3,700 |
| (単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(3)世界粗鋼生産
| |
生産量 |
前月比 |
| 2026年2月 |
141,800 |
-5,500 |
| (単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(4)U.S.A.コンポジット価格
| |
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
| 2026年2月 |
2週目 |
366.33 |
77.8 |
| 3週目 |
388.33 |
78.5 |
| 4週目 |
388.33 |
78.3 |
| 2026年3月 |
1週目 |
388.33 |
77.4 |
| 2週目 |
388.33 |
76.7 |
| 3週目 |
388.33 |
77.0 |
| 4週目 |
388.33 |
77.9 |
| ■資料:日本鉄源協会 |
| *2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2026年3月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
| 北海道
| 41.5~42.5 |
46.5~47.5 |
100% |
続伸 |
| 東北
| 43.5~44.5 |
48.5~49.5 |
100%弱~100% |
続伸 |
| 新潟
| 43.0~44.0 |
48.0~49.0 |
100%弱~100% |
続伸 |
| 関東
| 44.0~45.5 |
48.5~50.5 |
100%弱~100% |
続伸 |
| 中部
| 44.0~45.0 |
48.0~49.0 |
100%弱~100% |
続伸 |
| 関西
| 44.5~45.5 |
50.0~51.0 |
100%弱~100% |
続伸 |
| 姫路
| 44.5~47.0 |
49.5~51.0 |
100%弱~100% |
続伸 |
| 中・四国
| 45.0中心 |
50.0中心 |
100%弱 |
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| 九 州
| 45.0中心 |
50.0中心 |
100% |
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| (単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |