Ⅰ. 市況報告
2025年1月に入ると、鉄スクラップ国内市況は変動材料が少ないなか、需給双方が様子見姿勢で始まった。その後、電炉の鉄スクラップ需要の低迷が明らかになる状況で値下げも見込まれたが、1月10日の関東地区の輸出テンダーにおいて関東地区需要家の買値を上回る落札値が公表されたこともあり、価格は拮抗したまま暫く弱含み横這いで推移した。しかし、需要の低迷が顕在化するなかで、関東や中部で需給緩和感が広がり、1月24日より東京製鐵が宇都宮と名古屋SYで500~1,000円値下げした。さらには28日から田原、岡山等でも500円の値下げを行ったことから、全国の需要家の間で値下げ改定広がった。値下げが一巡した後も軟調さを残す相場展開となっている。
1月末のH2炉前価格としては、関東が39,500~40,000円、関西(大阪・姫路)が40,000~42,000円となり、前月末比較ではいずれも500円~1,000円の下げとなった。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2024年12月)
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生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
6,907 |
+20 |
(うち電炉) |
1,689 |
-109 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,246 |
-69 |
小棒生産 |
517 |
-54 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2024年11月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)輸出
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数量 (2024年12月) |
前月比 |
単価 (2025年1月) |
前月比 |
スクラップ |
728 |
+148 |
41,500 |
+800 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(3)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2024年12月 |
144,500 |
-2,300 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(4)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2024年12月 |
3週目 |
303.33 |
76.1 |
4週目 |
303.33 |
74.7 |
5週目 |
303.33 |
73.6 |
2025年1月 |
1週目 |
303.33 |
74.5 |
2週目 |
307.33 |
73.8 |
3週目 |
323.33 |
73.7 |
4週目 |
323.33 |
未入手 |
■資料:日本鉄源協会 |
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2025年1月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 37.5~38.5 |
37.0~38.0 |
100% |
軟調様子見 |
東北
| 39.5~40.5 |
38.5~39.5 |
100%弱~100% |
様子見 |
新潟
| 39.5~40.5 |
38.5~39.5 |
100% |
軟調様子見 |
関東
| 40.0~41.0 |
39.5~40.0 |
100% |
軟調様子見 |
中部
| 39.5~41.0 |
39.0~40.5 |
100%~100%強 |
軟調 |
関西
| 40.5~42.0 |
40.0~41.5 |
100% |
様子見 |
姫路
| 41.5~43.0 |
41.0~42.0 |
100%強 |
軟調様子見 |
中・四国
| 41.5中心 |
41.0中心 |
100% |
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九 州
| 41.4中心 |
40.5中心 |
100% |
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(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |