Ⅰ. 市況報告
9月末の鉄スクラップ市況は37,000円~38,500円のレベルまで値下げしたが、9月下旬に中国鉄鋼価格が反発、日本の輸出価格や浜値も反発・上昇し、10月9日の関東鉄源のテンダー落札価格は前月比2,960円上げの45,680円の高値を付けた。これを受けて東京製鐵は10月10日に九州工場以外で1,000円~3,000円の値上げを発表した。
その後、様子見状態が続くも為替の円安傾向が続き、海外・輸出相場に対して日本の鉄スクラップに割安感が残った。しかし、鋼材相場が軟調であることもあり国内外ともメーカーは値上げに慎重な姿勢である。中国の経済状況に対する懸念も依然残り、上伸基調は短期的な動きにとどまっている。11月5日の米大統領選挙の結果による経済状況の変化も鉄スクラップ市況に影響を与える可能性があり、市場は様子見姿勢を続けている。10月末のH2炉前価格としては、関東が40,500~41,500円、関西(大阪・姫路)が39,000~43,000円となり、前月末比較では関東が約3,000円、関西が約1,000円~1,500円値上がりした。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2024年9月)
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生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
6,623 |
-247 |
(うち電炉) |
1,829 |
+265 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,344 |
+31 |
小棒生産 |
555 |
+78 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2024年8月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)輸出
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数量 (2024年9月) |
前月比 |
単価 (2024年10月) |
前月比 |
スクラップ |
416 |
-76 |
43,300 |
+2,600 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(3)世界粗鋼生産
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生産量 |
前月比 |
2024年9月 |
143,600 |
-1,200 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(4)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2024年9月 |
3週目 |
306.67 |
76.9 |
4週目 |
306.67 |
74.1 |
5週目 |
306.67 |
72.3 |
2024年10月 |
1週目 |
306.67 |
72.9 |
2週目 |
316.00 |
73.4 |
3週目 |
320.00 |
74.7 |
4週目 |
320.00 |
未入手 |
■資料:日本鉄源協会 |
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2024年10月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 36.5~37.5 |
37.5~38.5 |
100% |
様子見 |
東北
| 37.5~38.5 |
40.0~41.0 |
100%~100%強 |
軟調様子見 |
新潟
| 37.5~38.0 |
40.0~41.0 |
100% |
様子見 |
関東
| 37.5~38.5 |
40.5~41.5 |
100% |
様子見 |
中部
| 38.0~40.0 |
40.0~41.5 |
100%~100%強 |
様子見 |
関西
| 39.0~40.5 |
39.5~41.5 |
100% |
様子見 |
姫路
| 40.5~41.0 |
41.5~43.0 |
100% |
様子見 |
中・四国
| 40.5中心 |
41.5中心 |
100% |
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九 州
| 40.4中心 |
41.5中心 |
100% |
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(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |