市況【2025年3月4日掲載】

Ⅰ. 市況報告

2月の鉄スクラップ国内市況は1月の流れを受けて需給双方とも軟調様子見姿勢から始まった。しかし、その後に海外市況、特に欧米価格に堅調な気配が伝えられ、相場の気配は強弱双方が混在する形となった。1月12日の関東地区の輸出テンダー落札価格は43,200円であり、前月比1,610円下げたものの国内マーケットよりは高い価格となった。しかし、関東地区電炉は製品需要の減少もあり、輸出テンダー価格に反応した値上げはなかった。
一方、2月中旬から関西方面で入荷面に不安感が出てきたことから、東京製鐵が2月14日より西日本3拠点で500円から1,000円の値上げを発表した。関西地区では荷不足感が解消せず、日本の市況は西高東低で2月を終えた。
2月末のH2炉前価格としては、関東が39,500~40,000円、関西(大阪・姫路)が42,000~43,500円となり、前月末比較では関東は横這いであるが、関西は1,000円から2,000円の上げとなった。

Ⅱ. 鉄鋼諸指標

(1)生産・在庫(2025年1月)

  生産・在庫量 前月比
粗鋼生産 6,787 120
(うち電炉) 1,641 47
メーカースクラップ在庫 3,327 81
小棒生産 501 19
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2024年12月の数値)■資料:日本鉄源協会

(2)輸出

  数量
(2025年1月)
前月比 単価
(2025年2月)
前月比
スクラップ 556 172 41,900 400
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字

(3)世界粗鋼生産

  生産量 前月比
2025年1月 151,400 6,900
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA)

(4)U.S.A.コンポジット価格

  価格(U.S.ドル) 操業率(%)
2025年1月 2週目 307.33 73.8
3週目 323.33 73.7
4週目 323.33 74.4
2025年2月 1週目 323.33 75.2
2週目 323.33 75.0
3週目 356.67 74.5
4週目 356.67 未入手
■資料:日本鉄源協会
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。

Ⅲ.鉄スクラップ市況

2025年2月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値

  月初 月末 入荷状況 見込み
北海道 37.0~38.0 38.0~39.0 100% 様子見
東北 38.5~39.5 38.5~39.5 100% 様子見
新潟 38.5~39.5 38.5~39.5 100%弱~100% 様子見
関東 39.5~40.0 39.5~40.0 100% 様子見
中部 39.0~40.5 39.0~40.5 100%~100%強 様子見
関西 40.0~41.5 42.0~43.5 100%弱 堅調
姫路 41.0~42.0 42.0~43.0 100% 堅調様子見
中・四国 41.0中心 42.0中心 100%
九 州 40.5中心 42.0中心 100%
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社