Ⅰ. 市況報告
12月までに値戻しが一服した国内鉄スクラップ相場は１月下旬から急速に値を崩し、3ヵ月ぶりに反落した。月末のH2炉前価格は関東が＠￥23,000～23,500、関西が＠￥22,500～24,000を形成し、前月末と比べ1,500～2,000円低いレベルとなっている。
昨年の日本の粗鋼生産は10年ぶりに1億トンを切ったことが発表されるなど、建材需要の冷え込みを背景に電炉メーカーの生産意欲が依然として低調なうえ、高炉メーカーの市中スクラップ購入も聞かれず、厳しい需要環境が解消されていない。加えて海外ではトルコ向け欧米スクラップ成約価格が底値から約＄80の値戻しが進んだ反動で早くも＄30規模下落し、日本産スクラップの韓国向けH2輸出成約は、旧正月シーズン休暇気分もあって前月比￥1,000～1,500安の￥25,000～25,500(FOB)に後退するなど、各方面で値下げが目立ち始めている。
新型肺炎の感染拡大に対する懸念は鉄鋼業界でも急速に高まっており、政府の指示で春節休暇期間を延長させた中国の休暇明けの市況動向が注目を集める中、国内鉄スクラップ相場は先安感を漂わせながら月末を迎えている。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
（1）生産・在庫（2019年12月）
| |
生産・在庫量 |
前月比 |
| 粗鋼生産 |
7,784 |
＋41 |
| （うち電炉） |
1,847 |
－177 |
| メーカースクラップ在庫※
|
3,433 |
＋82 |
| 小棒生産 |
626 |
－56 |
| （単位：千トン ※メーカースクラップ在庫は2019年11月の数値）■資料：日本鉄源協会 |
（2）価格 （2020年1月／月平均価格、東京・中部・関西三地区平均）
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価格 |
前月比 |
| 異形棒鋼 |
66,300 |
±0 |
| Ｈ形鋼 |
81,900 |
－400 |
| スクラップ |
23,000 |
＋300 |
| （単位：円）■資料：日本鉄源協会 |
（3）輸出
| |
数量
（2019年12月） |
前月比 |
単価
（2020年1月） |
前月比 |
| スクラップ |
764 |
＋100 |
25,400 |
－300 |
| （単位：[数量]千トン／[単価]月平均 東京湾FOB円）■資料：日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
（４）世界粗鋼生産
| |
生産量 |
前月比 |
| 2019年12月 |
152,121 |
＋4,330 |
| （単位：千トン）■資料：世界鉄鋼協会（WSA） |
（５）Ｕ.Ｓ.Ａ.コンポジット価格
| |
価格（U.S.ドル） |
操業率（％） |
| 2019年12月 |
2週目 |
229.33 |
78.7 |
| 3週目 |
229.33 |
79.7 |
| 4週目 |
229.33 |
80.7 |
| 2020年1月 |
1週目 |
229.33 |
82.0 |
| 2週目 |
259.33 |
82.5 |
| 3週目 |
259.33 |
82.7 |
| 4週目 |
259.33 |
82.3 |
| ■資料：日本鉄源協会 |
Ⅲ．鉄スクラップ市況
2020年1月末、Ｈ2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
| 北海道
| 20.5～22.5 |
19.0～21.0 |
100％強 |
続落 |
| 東北
| 21.0～23.0 |
19.5～21.5 |
100％強 |
続落 |
| 新潟
| 22.5～23.5 |
21.0～22.0 |
100％強 |
続落 |
| 関東
| 24.5～25.0 |
23.0～23.5 |
100％強 |
続落 |
| 中部
| 23.5～24.5 |
22.5～23.5 |
100％強 |
続落 |
| 関西
| 24.5～25.5 |
22.5～24.0 |
100％強 |
続落 |
| 姫路
| 24.0～25.0 |
22.5～23.5 |
100%強 |
続落 |
| 中・四国
| 23.5中心 |
22.0中心 |
100％強 |
続落 |
| 九 州
| 25.0中心 |
23.5中心 |
100％強 |
続落 |
| （単位：千円）■出所：日刊市况通信社 |
