Ⅰ. 市況報告
12月、1月と乱高下した国内鉄スクラップ価格は、1月に特に下落幅の大きかった関東市況が2月に入り@¥10,000以上急回復して、月末には関東、関西がほぼ同価格レベルとなった。月末のH2炉前価格は、@¥40,000~41,000となっている。
1月末に関東地区の価格が関西に比較し@¥10,000近く低位にあったのは、季節的要因で輸出向け配船が遅れたこと、厳冬の影響で電力不足が表面化し、電力会社の節電要請に応じた一部の電炉メーカーで生産調整を余儀なくされたこと、さらに大手電炉の炉修工事に伴い荷受け制限が為されたこと等々が重なり、一時的に荷余り状態が顕在化した為と考えられる。
2月に入ると、トルコを中心とした海外市況も回復した他、コンテナー不足により米国産鉄スクラップの手当てが遅れている台湾から日本産鉄スクラップへの引き合い等が入るなど、輸出向けFOB価格から上昇が顕著になり、地場電炉向け価格も追随する形で上昇した。
鉄鉱石、原油、銅等の資源価格も上昇している中で、鉄スクラップ市況も強基調を維持したまま3月を迎えている。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2021年1月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
7,924 |
+398 |
(うち電炉) |
1,834 |
+26 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,032 |
+79 |
小棒生産 |
601 |
-5 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2020年12月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2021年2月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
78,000 |
+4,800 |
H形鋼 |
84,000 |
+4,000 |
スクラップ |
34,900 |
-3,500 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
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数量 (2021年1月) |
前月比 |
単価 (2021年2月) |
前月比 |
スクラップ |
501 |
-246 |
38,100 |
-2,400 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2021年1月 |
162,900 |
+2,042 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
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価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2021年1月 |
2週目 |
413.33 |
76.7 |
3週目 |
413.33 |
75.7 |
4週目 |
413.33 |
76.1 |
2021年2月 |
1週目 |
413.33 |
75.2 |
2週目 |
360.00 |
76.9 |
3週目 |
360.00 |
77.0 |
4週目 |
360.00 |
未入電 |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2021年2月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 33.5~34.5 |
34.5~35.5 |
90% |
強含み |
東北
| 29.0~30.0 |
39.5~40.5 |
100%弱 |
強含み |
新潟
| 32.0~33.0 |
38.5~39.5 |
90% |
強含み |
関東
| 29.0~30.0 |
40.0~41.0 |
100%弱 |
強含み |
中部
| 38.0~39.5 |
40.0~41.0 |
100%弱 |
強含み |
関西
| 39.5~40.0 |
40.0~41.0 |
100%弱 |
強含み |
姫路
| 39.0~39.5 |
40.0~41.0 |
100%弱 |
強含み |
中・四国
| 39.5中心 |
40.5中心 |
100%弱 |
強含み |
九 州
| 39.0中心 |
40.0中心 |
100%弱 |
強含み |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |