Ⅰ. 市況報告
3月の鉄スクラップ市況は、3/9の関東における輸出入札で高値落札となったことから大手需要家を中心にメーカー勢が購入価格を値上げして対抗、国内価格は約2,000円値上がりした。関東相場は昨年12月、今年1月、2月、3月と4か月連続してテンダーの高値を起点に値上げがすすんだ。しかし、その後は円高等の影響で日本産スクラップの輸出交渉価格に割高感が生じ、先ずは湾岸商社・シッパーが浜値を引き下げた。海外ではトルコやアジア向けの価格が軟調に推移した。これらの動きにけん引される形で3/17頃から電炉メーカーが値下げを発表し、3月最終週にかけて追加値下げが続いた。相場は現在も引続き軟調推移である。
3月末のH2炉前価格は、関東が¥52,000~53,000、関西(大阪・姫路)が¥52,500~53,500で、前月末比較では¥500~¥1,000ほど安い。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2023年2月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
6,913 |
-309 |
(うち電炉) |
1,861 |
+70 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,283 |
-100 |
小棒生産 |
579 |
+35 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2023年1月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)輸出
|
数量 (2023年2月) |
前月比 |
単価 (2023年3月) |
前月比 |
スクラップ |
529 |
-43 |
53,800 |
+1,700 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(3)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2023年2月 |
142,400 |
-2,900 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(4)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2023年2月 |
2週目 |
365.33 |
74.0 |
3週目 |
368.33 |
74.9 |
4週目 |
368.33 |
74.4 |
2023年3月 |
1週目 |
368.33 |
75.0 |
2週目 |
379.67 |
75.4 |
3週目 |
396.67 |
75.1 |
4週目 |
396.67 |
未入電 |
■資料:日本鉄源協会 |
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2023年3月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
|
月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 48.5~49.5 |
49.0~50.0 |
100% |
弱含み |
東北
| 51.5~52.5 |
51.0~52.0 |
100% |
弱含み |
新潟
| 52.0~53.0 |
52.0~53.0 |
100% |
弱含み |
関東
| 53.0~54.0 |
52.0~53.0 |
100%強 |
弱含み |
中部
| 52.5~53.5 |
52.0~53.0 |
100%~100%強 |
弱含み |
関西
| 53.5~54.0 |
53.0~53.5 |
110% |
弱含み |
姫路
| 53.0~53.5 |
52.5~53.0 |
100%強 |
弱含み |
中・四国
| 53.5中心 |
53.0中心 |
100%強 |
|
九 州
| 53.5中心 |
53.0中心 |
100%強 |
|
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |