Ⅰ. 市況報告
3月の鉄スクラップ国内相場は、海外相場の下落や月上旬の円高進行の影響で値下がりした。全国に拠点を持つ大手電炉が3月8日に500円の値下げを実施した際は、入荷量の伸び悩みを受けて値下げ対応を見送る動きもあった。しかし、3月12日の関東地区の輸出テンダーでは落札値が前月比2,987円安の50,100円と5万円台を維持したものの国内相場を大幅に下回ったため、大手電炉が一律1,000円の追加値下げを実施。それにより相場は全国的に1,000円ほど続落。輸出成約が振るわず、関東シッパー買値はメーカー買値に対して先行安となった。
その後は一部で500~1,000円の追加値下げもあったが、全体的に動きが少ない。年度末でも市中スクラップ発生や流通量が伸び悩んでいるためだ。また、為替相場で円安が進み為替は引き続き輸出市況をわずかながらも押し上げている。この様な強弱が拮抗した状況の下、市場関係者は月末に向け概ね様子見の姿勢である。3月末のH2炉前価格は、関東が¥51,000~52,000、関西(大阪・姫路)が¥51,000~52,500で、前月末比較では関東においてほぼ¥1,000~¥2,000の値下げとなった。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2024年2月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
6,989 |
-275 |
(うち電炉) |
1,866 |
+29 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,188 |
-146 |
小棒生産 |
569 |
+5 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2024年1月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)輸出
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数量 (2024年2月) |
前月比 |
単価 (2024年3月) |
前月比 |
スクラップ |
625 |
+167 |
49,000 |
-3,400 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(3)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2024年2月 |
148,800 |
+700 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(4)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2024年2月 |
2週目 |
367.67 |
77.5 |
3週目 |
366.67 |
77.8 |
4週目 |
366.67 |
77.3 |
2024年3月 |
1週目 |
366.67 |
78.1 |
2週目 |
356.00 |
77.2 |
3週目 |
326.67 |
76.7 |
4週目 |
326.67 |
未入手 |
■資料:日本鉄源協会 |
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2024年3月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 47.5~48.0 |
46.0~46.5 |
100% |
様子見 |
東北
| 49.5~50.5 |
49.5~50.5 |
100% |
様子見 |
新潟
| 51.5~52.5 |
50.5~51.5 |
100% |
様子見 |
関東
| 52.0~53.0 |
51.0~52.0 |
100% |
様子見 |
中部
| 51.5~52.5 |
49.5~51.0 |
98%~100% |
弱含み様子見 |
関西
| 52.5~53.5 |
51.0~52.5 |
100% |
様子見 |
姫路
| 52.5~53.5 |
50.5~52.0 |
100% |
様子見 |
中・四国
| 53.0中心 |
51.5中心 |
100% |
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九 州
| 53.0中心 |
51.5中心 |
100% |
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(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |