Ⅰ. 市況報告
国内のH2価格は、1月中・下旬に横這いに転じた後、2月に入り主として海外からの高値引き合いに呼応する形で上昇に転じ、全国的に4~5回の値上げが行われ、月末価格は関東がH2で@¥31,500~32,500、関西が@¥32,000~33,000と前月末比@¥3,000程度値上がりしている。
海外では、トルコで米国産のNo1HMSが1月の底値@$278CFRが1か月で$50以上急騰し@$333になったのをはじめ、ベトナムも2月中旬に米国産で@$340CFRの成約が聞かれるなど世界的に価格上昇が認められた。この為、日本産のH2もベトナム、さらにはコンテナー品が値上がりした台湾向けにも高値で成約され、関東鉄源協同組合が2月13日に実施した共同入札価格は前月比約@¥3,000高い、平均@¥31,885FASと半年振りに値上がりした。
この上昇の背景には、ブラジルの鉄鉱石鉱山ヴァーレ社のダム事故による鉄鉱石の値上がりや鋼材価格の上昇があるとされているが、下旬を迎えるとトルコ、ベトナムでは既に鉄スクラップ価格の反落も伝えられるなど、値動きが激しい展開となっている。
日本国内の電炉粗鋼生産は依然好調を維持しており、鉄スクラップ需要も堅調推移が見込まれることから先行き相場は硬軟双方の見方が混在している。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2019年1月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
8,141 |
-326 |
(うち電炉) |
2,012 |
-167 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,199 |
+57 |
小棒生産 |
674 |
-30 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2018年12月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2019年2月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
71,300 |
±0 |
H形鋼 |
88,000 |
±0 |
スクラップ |
28,700 |
+500 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
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数量 (2019年1月) |
前月比 |
単価 (2019年2月) |
前月比 |
スクラップ |
512 |
-166 |
32,100 |
+2,700 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2019年1月 |
146,705 |
-379 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2019年1月 |
2週目 |
298.33 |
79.8 |
3週目 |
298.33 |
80.7 |
4週目 |
298.33 |
81.1 |
2019年2月 |
1週目 |
298.33 |
81.2 |
2週目 |
298.33 |
81.5 |
3週目 |
298.33 |
81.0 |
4週目 |
298.33 |
(未入電) |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2019年2月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 26.0~27.0 |
30.0~31.0 |
100% |
堅調 |
東北
| 28.5~29.5 |
30.0~31.5 |
100%弱 |
強含み |
新潟
| 28.5~29.5 |
31.0~32.0 |
100%弱 |
強含み |
関東
| 28.5~29.5 |
31.5~32.5 |
100%弱 |
堅調 |
中部
| 28.5~29.5 |
31.5~32.5 |
100%弱 |
強含み |
関西
| 28.5~29.5 |
32.0~33.0 |
100%弱 |
強含み |
姫路
| 28.5~29.0 |
31.5~32.0 |
100%弱 |
強含み |
中・四国
| 27.5中心 |
31.0中心 |
100%弱 |
強含み |
九 州
| 30.5中心 |
33.5中心 |
100%弱 |
強含み |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |